研究テーマ

国際関係・比較政治に関する研究領域

■ 紛争のメカニズムと
ダイナミクスの研究

政治対立はどのようにして武力紛争へと発展していくのだろうか。また武力紛争を回避できる場合はどのような時だろうか。武力紛争のメカニズムについての理論的知見を深め、そのダイナミクス(発生・激化・鎮静化など)を解明することを目指し、理論研究と事例研究の知見を接合した分析枠組みに関する研究に取り組んでいます。

■ 紛争への外部主体
による介入の研究

武力紛争が鎮静化したり激化したりする際に外部主体はいかなる役割を果たすことができるのか、特に効果が限定的と言われている外交的介入、すなわち紛争の仲介等の非軍事介入が武力紛争の鎮静化に果たせる役割はないのかといったことに関心を持ち、紛争への外部主体の関与について、その効果をめぐる研究しています。

■ 分離独立と
未承認国家の研究

ある集団が既存国家から分離独立を要求した際に、武力紛争を回避し、この問題を解決することは可能だろうか。あるいは、武力紛争が発生し、その集団が独立を宣言した際にどのような条件下では、それは国際的に承認されるのだろうか。または承認されない主体が国家を主張し、存続することはどのように可能なのかを研究しています。

旧ソ連地域に関する研究

■ 急進的イスラーム主義
とテロリズム

旧ソ連地域の急進的イスラーム主義運動の展開と、テロの脅威や治安情勢に関する研究を行っています。今までは北コーカサスのイスラーム主義運動に焦点を当てていましたが、最近は中央アジアの過激主義運動やISなどのグローバル・ジハードとの関係性も研究しています。

■ シベリア抑留と「記憶」

祖父の抑留経験の「記憶」を「記憶」する私的研究に取り組みつつ、シベリア抑留研究の文献なども読み進めています。「記憶」という観点から歴史や政治を問い直す研究へと進めていこうという構想を持っています。

■ コーカサス・旧ソ連地域における紛争の比較研究

コーカサスの5つの紛争(チェチェン、イングーシ・北オセティア、アブハジア、南オセティア、カラバフ)の比較研究に取り組んで来ました。中央アジアやウクライナ、ドニエストルとの比較研究にも取り組む予定です。いずれも紛争のダイナミクスとメカニズムを明らかにすることが目的です。

■ チェチェン研究
(歴史・現代政治研究)

主に現代チェチェン紛争の研究に長年取り組んできました。関連してチェチェンの歴史も研究してきました。紛争の分析枠組みを提示する研究に取り組む一方、紛争後の権威主義的統治や連邦中央との政治的関係なども研究しています。90年代についてはタタールスタンとの比較も意識しています。

研究プロジェクト

科研費

日本学術振興会科学研究費補助金「基盤研究A」「政治体制としての代議制民主主義の現状と可能性ー東地中海地域の事例から」(2022年4月 - 2027年3月)【研究分担者】

・令和3年度日本学術振興会科学研究費補助金「基盤研究C」紛争後の権威主義体制下における「平和」の機能に関する研究(2021年4月-2025年3月)KAKENウェブサイト

平成30年度日本学術振興会科学研究費補助金「若手研究」「ユーラシア地域における分離主義紛争のダイナミズムとメカニズムの解析」(2018年4月-21年3月)KAKENウェブサイト

・平成24年度日本学術振興会科学研究費補助金「特別研究員奨励費」採用(2012年4月-15年3月)「冷戦終結・ソ連解体後の地域・国際政治におけるチェチェン紛争」

・平成22年度日本学術振興会科学研究費補助金「特別研究員奨励費」採用(2010年4月-12年3月)「冷戦終結後のコーカサスにおける「新しい戦争」とその「管理」 」

その他

公益財団法人村田学術振興財団 研究助成激化する紛争を制御するための国際関与の研究-和平仲介と紛争力学に関する理論と事例の融合-」(2022年7月 - 2023年6月)

公益財団法人JFE21世紀財団2020年度大学研究助成「アジア歴史研究助成」採択「紛争の「記憶」と「歴史」をめぐる政治学:チェチェン現代史の再検討」(2020年12月-22年12月)

・2020年度野村財団研究助成「紛争のエスカレーション防止における非軍事関与の効果に関する学際的研究 ―旧ソ連の紛争事例を通した理論的・経験的アプローチの架橋―」(2020年4月-22年3月野村財団ウェブ

・平成29年度東海大学総合研究機構「研究スタートアップ支援」採用(2017年4月-18年3月)「ロシアにおける民族問題の比較研究」

・平成21年度東京大学学術研究活動等奨励事業(国内)採用(2009年8月)

・平成20年度東北大学国際高等研究教育院 言語・人間・社会システム領域基盤 修士研究教育院生(2008年4月~2009年3月)

ひとこと

共同研究等にご関心があれば、ご連絡下さい。旧ユーゴスラビアやアフリカ、東南アジア・イスラーム諸国の紛争との比較、中東のイスラーム急進主義やテロリズムとの比較、あるいは紛争のダイナミクスやメカニズムに関する理論と事例の対話などに関心があります。同じような問題意識がお有りの方はご連絡頂ければ幸いです。【問い合わせへ